“かんりんまる”の漢字の書き方と例文
語句割合
咸臨丸100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その年うるう五月五日、咸臨丸かんりんまる無事ぶじ帰朝きちょうし、かん浦賀うらがたっするや、予が家の老僕ろうぼくむかいきたりし時、先生老僕ろうぼくに向い、吾輩わがはい留守中るすちゅう江戸において何か珍事ちんじはなきやと。
当時とうじ外国人にもおのずから種々の説をとなえたるものなきにあらずというその次第しだいは、たとえば幕府にて始めに使節しせつを米国につかわしたるとき、彼の軍艦咸臨丸かんりんまる便乗ぴんじょうしたるが
日本最初の使節を乗せた咸臨丸かんりんまるがアメリカへ向けて神奈川沖を通過した時だ。徳川幕府がオランダ政府からい入れたというその小さな軍艦は品川沖から出帆して来た。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)