“かんぼく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
灌木93.7%
翰墨4.4%
灌本0.6%
簡朴0.6%
簡樸0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
世界にはながむるに足るべきあらゆる種類のこけや草や灌木かんぼくがあり、ひもとくに足るべき多くの二折形や三十二折形の書物があるのに
翰墨かんぼくを楽しむというのではない、実用向きに使用して、この男がかりにも著作をする気になった動機というものがまた不審ではあるが
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
せわしない騒音が渦をまいている町中とは違い、ここは師走しわすとも見えないのどけさで、カサリ……と真ッ黄色な枯れ葉が灌本かんぼくの枝をすべる音も、時々
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そもそも一技芸の起らんとするや、そが創始時代の制作には必ず原始的なる粗野の精力とこれを発表する簡朴かんぼくなる様式とのあいだ後人こうじんの見て以て窺知うかがいしるべからざる秘訣ひけつを蔵するものあり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
簡樸かんぼくなるは漢土の詩の長所なり、精緻せいちなるは欧米の詩の長所なり、優柔なるは和歌の長所なり、軽妙なるは俳句の長所なり。しかれども俳句全く簡樸、精緻、優柔を欠くに非ず、他の文学またしかり。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)