“かねぶくろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
金嚢62.5%
金袋12.5%
銀嚢12.5%
銭嚢12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そこで相談をしたいのだ」玄一郎はふところから金嚢かねぶくろを取り出し、巨漢の手に渡しながら云った
山だち問答 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
その下に椅子にかかって一人のボオイは新聞を読む、これと並んで肩から脇の下へ金袋かねぶくろをぶらさげた一人、白の洋服の足を膝の処で組違えて、ななめひじ身体からだの中心を支えて立身で居る
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
台の上のボオイは真先まっさきに飛び下りた、新聞を見ていたのは真中まんなかつかみ棄てて立つ。立っていたのは金袋かねぶくろの口をおさえて、この三人しばらくの間というものはただ縦横に土間の上を駆け歩行あるいた。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
見ると、彼は重そうに銀嚢かねぶくろを背負っているので、土工らは忽ちに悪心を起して、不意に鉄のすきをふりあげて、かの旅びとをぶち殺してしまって、その銀を山分けにした。
女侠伝 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
一片の塩魚を買うにも、いや味噌や醤油を買うにさえ、銭嚢かねぶくろの中をなんども数え直さなければならないような生活、それを弥生は十五歳の知恵できりまわしていったのである。
日本婦道記:風鈴 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)