金嚢かねぶくろ)” の例文
ためこんだ金嚢かねぶくろの上にぐっすり寝込んで、眠りの邪魔になるような者を憎み、または働いてる者をも憎むんです。
「そこで相談をしたいのだ」玄一郎はふところから金嚢かねぶくろを取り出し、巨漢の手に渡しながら云った
山だち問答 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そして、実際に持って行かれたものは、船長のあの金嚢かねぶくろと、銭箱の中の銀貨が少しとだけではあったけれども、私にはすぐに私たちのうちはもう潰されたということがわかった。
その金嚢かねぶくろや荷物を奪い取った。
それから上使の役人は久能山で没収した百記の遺品のうち、金二枚に小銭のはいっている金嚢かねぶくろと、大小ひと腰のかたな、それにひとつかみの遺髪をとりだして渡した。
日本婦道記:箭竹 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)