“おほいてふ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
大銀杏75.0%
大公孫樹25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
現に残つてゐる大銀杏おほいてふも江東小学校の運動場の隅に、——といふよりも附属幼稚園の運動場の隅に枝をのばしてゐた。当時の小学校の校長の震災の為に死んだことは前に書いた通りである。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
陽氣やうき加減かげんか、よひまどひをして、町内ちやうない大銀杏おほいてふ、ポプラの古樹ふるきなどでことがあると、ふくろだよ、あゝ可恐こはい。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此家から程近い住吉神社へ行つては、昔を語る事多き大公孫樹おほいてふの、まだ一片ひとひらも落葉せぬ枝々を、幾度となく仰ぎ見た。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
お掃除の手伝ひをしたやうに思はれてしやくだから、二人は、大公孫樹おほいてふの根方に腰をおろして足をふみはだかつたお坊さんの前に、面白くないやうな顔をして突つ立つてゐた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)