“おしいれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
押入75.8%
壁厨24.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あの化粧机の向う側の押入おしいれの中に彼女のものだと云ふ服がもう既に私の黒い毛織のローウッドの服と麥藁帽子むぎわらばうしとに入れ代りになつてゐるだけで十分である。
その代り五、六分経ったと思う頃に、押入おしいれをがらりと開けて、とこを延べる音が手に取るように聞こえました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
□□さん、サア洋燈ランプを持ってあちらへ行って勝手に休まっしゃい。押入おしいれの中に何かあろうから引出してまといなさい、まだ三時過ぎ位のものであろうから。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
盗賊とうぞくどもがなくなった時、押入おしいれの中にかくれていたさるは、ようようでてきて、甚兵衛のしばられてるなわいてやりました。
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
ふと蘿月らげつなにかそのへんに読む本でもないかと思ひついて、箪笥たんすの上や押入おしいれの中を彼方此方あつちこつちのぞいて見たが
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
(そうですね、執って貰おうか、うしろ壁厨おしいれにあるから執ってください)
水郷異聞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
伊右衛門はそれと見て、三人に云いつけて小平を壁厨おしいれへ投げこませ、そしらぬ顔をしてお槇を迎えた。
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
細君の物脅えの顔色が治まらないので、息子はとうとう上へあがって、細君の締め残してあった壁厨おしいれの襖を開けた。
平山婆 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「某家では、板女が衣類を持って逃げようとするところを知って、妻女さいじょ長刀なぎなたを持って切りかけると、壁厨おしいれの戸板へ引附いて消えてしまった」
女賊記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)