“おしいれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
押入76.5%
壁厨23.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
旅に反対する理由もありませんでしたので、私は夫のよそゆきのあさの夏服を押入おしいれから取り出そうとして、あちこち捜しましたが、見当りませんでした。
おさん (新字新仮名) / 太宰治(著)
ところで、夫人ふじんむかへたあとを、そのまゝ押入おしいれしまつていたのが、おもひがけず、とほからず、紅葉先生こうえふせんせいれう用立ようだつた。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「そんなら、腹が空いて来たら喫うが好え」と云って、それから壁厨おしいれを開けて、一枚の薄い蒲団と木の枕を出して来て、旅人の傍に置きました。
死人の手 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
で、老婆は寝ることにして、戸締をし壁厨おしいれから蒲団を出しているうちに、また餅のことを思いだしたが、腹が一ぱいで何も喫ってみる気がしない。
地獄の使 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)