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壁厨
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おしいれ
ふりがな文庫
“
壁厨
(
おしいれ
)” の例文
ところで、その爺さんと婆さんが死んでから間もない時のこと、そこの息子の細君が何かの用事で
壁厨
(
おしいれ
)
を開けたが、開けるなり
平山婆
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「某家では、板女が衣類を持って逃げようとするところを知って、
妻女
(
さいじょ
)
が
長刀
(
なぎなた
)
を持って切りかけると、
壁厨
(
おしいれ
)
の戸板へ引附いて消えてしまった」
女賊記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「そんなら、腹が空いて来たら喫うが好え」と云って、それから
壁厨
(
おしいれ
)
を開けて、一枚の薄い蒲団と木の枕を出して来て、旅人の傍に置きました。
死人の手
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
で、老婆は寝ることにして、戸締をし
壁厨
(
おしいれ
)
から蒲団を出しているうちに、また餅のことを思いだしたが、腹が一ぱいで何も喫ってみる気がしない。
地獄の使
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
と云って、高さ三尺位の箱を置いて往ったので、三好の方ではそれを
壁厨
(
おしいれ
)
へ入れておいた。ところで、翌年になって七郎が病気になって夜になると
位牌と鼠
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
伊右衛門はそれと見て、三人に云いつけて小平を
壁厨
(
おしいれ
)
へ投げこませ、そしらぬ顔をしてお槇を迎えた。
南北の東海道四谷怪談
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
細君の物脅えの顔色が治まらないので、息子はとうとう上へあがって、細君の締め残してあった
壁厨
(
おしいれ
)
の襖を開けた。壁厨の中にはお爺さんとお婆さんが並んで、行儀よく坐っていた。
平山婆
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
寛一郎はちょっと不思議に思ったが、大して気にもかけずにいた処が、その夜になって
壁厨
(
おしいれ
)
の中から短刀が飛出して来て
枕頭
(
まくらもと
)
へ立った。その短刀は会津から掠奪して来たものであった。
掠奪した短刀
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
(そうですね、執って貰おうか、
後
(
うしろ
)
の
壁厨
(
おしいれ
)
にあるから執ってください)
水郷異聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
壁
常用漢字
中学
部首:⼟
16画
厨
漢検準1級
部首:⼚
12画
“壁”で始まる語句
壁
壁際
壁代
壁板
壁間
壁体
壁虎
壁側
壁龕
壁土