“うちいだ”の漢字の書き方と例文
語句割合
打出100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
母はその身もともに責めらるる想して、あるひ可慚はづかしく、或は可忌いまはしく、このくるしき位置に在るにへかねつつ、言解かんすべさへ無けれど、とにもかくにも言はでむべき折ならねば、からうじて打出うちいだしつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「あれ聞き給へ。此宿こゝはこゞゐの森にもあらぬを、この夜頃よごろたえせず声の聞ゆるが上に、ひるさへかく」と打出うちいだしたれば、友はときがたきおもゝちして、「何をかのたまふ」とたゞに言ふ。
すゞろごと (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
往年さいつとし宮は田鶴見たずみの邸内に彼を見しより、いとど忍びかねたる胸の内の訴へんかたもあらぬ切なさに、唯心寛ただこころゆかし仮初かりそめりける筆ながら、なかなか口には打出うちいだし難き事を最好いとよく書きてつづけもしを
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)