“うすぼんやり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
薄茫乎50.0%
薄茫然50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
内部からはいと答える四十女らしい者の婀娜あだめいた声が聞えて来、夫迄消えていた軒灯にぽっと灯が這入りまして、私達の立って居る所が薄茫乎うすぼんやりと明るくなりました。
陳情書 (新字新仮名) / 西尾正(著)
この町のにぎやかな店々のかっと明るいはてを、縦筋たてすじに暗くくぎった一条ひとすじみちを隔てて、数百すひゃく燈火ともしび織目おりめから抜出ぬけだしたような薄茫乎うすぼんやりとして灰色のくま暗夜やみただよう、まばらな人立ひとだちを前に控えて
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それにもかかわらず邸内が陰森しんとして物寂しく、間ごとにともされた燭台の灯も薄茫然うすぼんやりと輪を描き、光の届かぬ隅々には眼も鼻もない妖怪あやかしが声を立てずに笑っていそうであり
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
唯だ薄茫然うすぼんやりとして、暗い道を探しながら飯場に帰ったのは三時頃であったと言った。
恨なき殺人 (新字新仮名) / 宮島資夫(著)