“あふれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
66.7%
暴溢33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あわれこのあふれ出ずる涙を思うままに溢出さしめ、思うままに声を挙げて泣き叫ばしめたらんには、幾何いくばくかわがこの悲しみを洗い去ることを得しなるべけれど、人に聞かるるの恐れあれば
一夜のうれい (新字新仮名) / 田山花袋(著)
小濁ささにごりに濁ると思うと、ずっと深さが増して、ふうわり草の生えた土手へあふれるんだがね、その土手が、城趾しろあとほりの石垣らしくも見えれば、田のあぜのようでもあるし、沼か、池の一角のようでもある。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すなわち石滝のある処で、旅客は岸づたいくのであるが、ここを流るるのは神通の支流で、幅は十間に足りないけれども、わずかの雨にもたちまち暴溢あふれて、しばしば堤防どてを崩す名代の荒河。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)