水垢を凝視すみずあかをぎょうしす
鮎が水垢をなめて育つのは誰でも知つてゐる。人間に米や麦が必要であるのと同じやうなものだ。 しかし、水垢のないところでも、鮎は育つ。田園の用水にも、溜池にも棲んで大きくなる。甚しいのになると、相州小田原在山王川のやうな溝川にさへ、盛んに鮎が溯 …
題名が同じ作品
水垢を凝視す (新字新仮名)佐藤垢石 (著)