“あて”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アテ
語句割合
36.2%
20.0%
17.0%
目的7.6%
5.6%
2.8%
2.6%
1.4%
0.9%
目途0.5%
期待0.5%
目標0.5%
0.4%
信用0.4%
0.4%
信拠0.2%
0.2%
凴拠0.2%
0.2%
安諦0.2%
0.2%
推量0.2%
0.2%
標的0.2%
目当0.2%
目算0.2%
胸算0.2%
0.2%
0.2%
見当0.2%
0.2%
貴艶0.2%
阿提0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ともかく、明日のパンに困っては、売るあてもない原稿を書いて、運のさいの目が此方こっちへ廻って来るのを待っているわけにも参りません。
湯村は酔うた頭を前後にフラ/\させながら、「女の云ふ事情なんてあてになるものか。」と、でも思出しては手酌でガブ/\あふつて居る。
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
即ち本店を復興すると同時に、東京市内各区に一つあてデパート式のデパートを作ったが、それがズドンと当って繁昌するわ繁昌するわ。
かれは起きるが早いか、丁字風呂ちょうじぶろを出て、今日はハッキリとした目的あてのあるものの如く、音羽を経て、目白の台へスタスタと上ってゆく。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うち母親おふくろあてにしてゐるのだから、ちやんと持つてかへつて、二錢でも三錢でももちよくもらへ、と、おぢいさんは首をふつた。
佃のわたし (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
背後うしろに……たとへば白菊しらぎくとなふる御厨子みずしうちから、天女てんにょ抜出ぬけいでたありさまなのは、あてに気高い御簾中である。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「馬券であてるのは、ひとこゝろあてるより六※かしいぢやありませんか。あなたは索引のいてゐる人の心さへあてて見様となさらないのん気なかただのに」
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あてでっか。あて如何どないでもよろしおま」表情一つ動かさず、強いて言うならば、綺麗な眼の玉をくるりくるり廻していた。
青春の逆説 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
時間はまだ早いけれども、此処で御中食をなさる御予定であったので、社務所では特に舞殿を装飾して、御休息所にあてる積りであったらしい。
その金が使い尽くされた後には今のところ、何をどうするという目途あては露ほどもなかった。葉子はふだんの葉子に似合わずそれが気になり出してしかたがなかった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
なあに、おれはあの會計係に逢つて、あの吝嗇坊けちんばう野郎を拜みたほして、あはよくば幾何なにがしか月給の前借まへがりをする期待あてでもなかつたなら、どうして役所へなんぞ行つてやるものか。
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
これという目標あてもなかったが、探し出すために貝十郎は、こうして城を出たのであった。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「随分ちやらつぽこを言ふ人なんですから、なかなかあてにはなりは致しませんが、妻君の病身の事や、そんなこんなであんまり内の面白くないのは、どうも全くさうらしいんで御座んす」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
と、陰気な鎧扉があけはなたれ、窓硝子は月光をうけて輝やいてゐる。⦅人の言ふことは信用あてにならぬものだ。⦆と彼は心のうちで思つた。
そして冬中女の手のへらされた勝手元の忙しい働きの隙々ひまひまに見るように、主婦からあてがわれている仕事に坐った。仕事は大抵、これからの客に着せる夜着や、綈袍どてらや枕などの縫釈ぬいときであった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
信拠あてにして待っていても始まらない。もう晴れないと諦めて、今日は第二予定によることゝしようじゃないか?
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「見給え。この大雨に晴れとあるんだからね。田舎の測候所は全く信拠あてにならないよ」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ことに四六佳婿むこがねあてなるをほの聞きて、我がも日をかぞへて待ちわぶる物を、今のよからぬことを聞くものならば、四七不慮すずろなる事をや仕出しいださん。
人々二六三花やぎて出でぬれど、真女子まなごあてなるには似るべうもあらずぞ見えける。
「可いの、不承知なのよ。阿父さんもやつぱり貫一さんが憎くて、大方不承知なんでせうから、私は凴拠あてにはしないから、不承知なら不承知でも可いの」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
車夫くるまやが金沢のお客さんや言ふよつてな、あてお断りどす言ふとな、此の子が能登の浅次郎や言ははるんやらう、変どしたけどな。」
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
安諦あての故地はいまだいかなる地形であったかを知らないが、『高野文書』によれば、湯浅氏が居を構えた阿弖川荘あてがわのしょうの中心は、今の海岸の地ではなくて、この川の上流山中にあったかと思われる。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
無論、学校を飛出してから何をするというあてはなかったが、この場合是非分別を考えるいとまもなくて、一図に血気に任して意地を貫いてしまった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
探索に推量あてが付いて頭脳あたまの働きが忙しくなると、まるで別人のように人間が荒っぽくなるのが三次の癖だった。
そんなことをあてにしてぐずぐずしているうちには、欣さんが食うにこまってくる。私の仕送りを頼みにしている身の上なのだから、お金がかなかった日には、どんなに窮るだろう。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
怨むべき標的あてをさへ失ひしかば。
妄動 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
何を目当あてに、御馳走なんぞ、へん下らない。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「そんな目算あても無いことばかり考えていないで、もっと手近なことを、さっ/\とさいな!」と、たしなめたしなめした。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
私だとても米代を払う胸算あてもなしに、書籍を買うのでもないが、でもそれを読んで、何か書いていれば、「今に良くなるのだろう。」くらいには思わないこともなかった。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
あてがひてあそびに追遣おひやあとには娘おくま番頭ばんとうちう髮結かみゆひせい三郎ともに入込いりこみ下女のおひさお菊もおつね仕込しこまれ日毎に酒宴しゆえん相手あひてをなしたりしが或日おつねきん出して下男げなん云付いひつけさけさかな
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あてなるかなや
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
就きまして貴方に折入っておねがいがございますが、此のお筆さんは今は親の無い身の上で何処どこへ参ると云う見当あてもない事で、親御の御得心の無い者を私の娘に貰いいとも申されませんが
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
剃刀かみそりは岡源の母親おふくろあてさせ、御召物の見立は大利だいりの番頭、仕立は馬場裏の良助さん——華麗はで穿鑿せんさくを仕尽したものです。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
貴艶あてなる嫦娥ひめ
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
アテの地名の最も古いのは紀伊の阿提あて郡である。大同元年に在田ありた郡と改称した。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)