黒絹くろぎぬ)” の例文
黒絹くろぎぬ上衣うはぎは壁に掛けてあつた。泥の汚點しみは綺麗に落されてゐる、濡れて出來た皺も延ばしてある、すつかりきちんとしてゐたのだ。
高廉こうれんあかくちをあいて笑った。黒紗こくしゃぼう黒絹くろぎぬ長袍ながぎ、チラとすそに見えるはかまだけが白いのみで、歯もまた黒く鉄漿かねで染めているのであった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)