黄蓮おうれん)” の例文
「人に喰わせる気なら、そんな場所へ干しておくものか、あいつは毒草だ。ゲンノショウコやセンブリや黄蓮おうれんと一緒だろう」
そこへ水石春吉が雪を山盛りにした檜笠を抱えて、黄蓮おうれん沢の方から上って来た。皆歓声を揚げる。
「さあ」と蔵人は渋面じゅうめんを作り、「特効薬は目付からない。大黄だいおう皁莢さいかち白牽子はくけんし鬱金うこん黄蓮おうれん呉茱ごすの六種、細抹にして早旦そうたんに飲む。今のところではこんなものだ。だがそのうち目付かるだろう。 ...
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)