黄泉よみぢ)” の例文
扨而さて此の二日の大地震は前古未曾有みぞうにて、御同樣杖とも又柱ともたよりに致居候水戸の藤田戸田之兩雄も搖打ゆりうちに被逢、黄泉よみぢの客と被成候始末、如何にも痛烈之至り
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
正太郎今はして九六黄泉よみぢをしたへども九七招魂せうこんの法をももとむる方なく、仰ぎて古郷ふるさとをおもへば、かへりて地下ちかよりも遠きここちせられ、九八前にわたりなく、うしろみちをうしなひ
仆れてやまば夫れまでよ、父は黄泉よみぢに小手招ぎして九品蓮臺の上品ならずとも、よろしき住家は彼の世にもあるべし、さらば夢路に遊ばんの决心、これさら/\きに狂ひしうかれ心かは
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)