鵠立たたずん)” の例文
愕然がくぜんとして文三が、夢の覚めたような面相かおつきをしてキョロキョロと四辺あたり環視みまわして見れば、何時いつの間にか靖国やすくに神社の華表際とりいぎわ鵠立たたずんでいる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
と見ればあと小舎こやの前で、昇が磬折けいせつという風に腰をかがめて、其処に鵠立たたずんでいた洋装紳士のせなかに向ッてしきりに礼拝していた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
文三はすこ躊躇ためらって梯子段を降果てお勢の子舎の入口まで参りは参ッたが、うちへとては立入らず、唯鵠立たたずんでいる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)