“魚蝋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぎよらふ66.7%
ぎょろう33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
壁に取り附けてある真鍮の燭台には、二本の魚蝋ぎよらふが燃えてゐる。鉄の炉は河水が堰を衝いて出る時のやうな音を立ててゐる。
魚蝋ぎよらふの烟を風のまにまに吹きなびかせて、前に木机を据ゑ、そが上に月桂ラウレオの青枝もて編みたる籠に貨物しろものを載せたるを飾りたるは、肉ひさぐ男、くだもの賣る女などなり。
そこの口元に、めらめらと人魂ひとだまのように見えたのは、鉄の灯皿ひざらにつるされた魚蝋ぎょろうの炎でありました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)