髯切ひげきり)” の例文
忽然こつねんと下界へちて来た一つの星みたいに見えた。それが、「源太ヶ産衣うぶぎ」や「髯切ひげきり」の燦爛さんらんとは知るよしもなかったが、何しろどこか粧装よそおいが違う。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わけて佐殿すけどのは、目の中へ入れても痛くないほどな可愛がりようで、こんどの合戦に際しても源家重代の「源太ヶ産衣うぶぎ」というよろいと、「髯切ひげきり」の太刀たちの二品をば
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
源氏重代のこんおどし「源太ヶ産衣うぶぎ」の具足をよろい、髯切ひげきりの太刀を横たえ、たくましい鹿毛かげの鞍にあるために、一かどらしくは見られるが、何といっても、まだ十三歳であった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)