馬穴バケツ)” の例文
そんでもうれしそうであった。彼女は急にせわしそうに、台所に立って行くと、馬穴バケツをさげて井戸端いどばたへ水をみに出た。
魚の序文 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
縁側には、七輪や、馬穴バケツや、ゆきひらや、あわび植木鉢うえきばちや、座敷ざしきは六じょうで、押入れもなければとこもない。これが私達三人の落ちついた二階借りの部屋の風景である。
風琴と魚の町 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
「ええでもこうやって、馬穴バケツをさげて行こうかと思っているのよ」
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)