“馬子唄”の読み方と例文
読み方割合
まごうた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やがて長閑のどか馬子唄まごうたが、春にけた空山一路くうざんいちろの夢を破る。憐れの底に気楽な響がこもって、どう考えてもにかいた声だ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
伊那の谷からの通路にあたる権兵衛ごんべえ街道の方には、馬の振る鈴音に調子を合わせるような馬子唄まごうたが起こって、米をつけた馬匹ばひつの群れがこの木曾街道に続くのも、そういう時だ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
節廻しがすべて艪拍子に連れて動いて、緩く、哀調になっています。信濃のは馬子唄まごうたですから、上り下りの山路やまみちの勾配から、くつわの音、馬の歩調に合せて出来上ったものなのです。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)