馬夫まご)” の例文
心細さに馬夫まごに物言ひ掛くれば、聞き分き難き聲立てゝ、指を唇に加へたり。さてはおしなるよと思ひぬ。
投手は馬夫まごの子で松下というのである、かれは十六であるが十九ぐらいの身長があった。ちいさい時に火傷やけどをしたので頭に大きなあとがある、みなはそれをあだ名して五大洲だいしゅうしょうした。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
水牛の乾酪と麪包パンとにて飮ものには驢の乳あり。われは快く些の食事をしたゝめしに、馬夫まごは手まねして別を告げたり。さて牧者のいふやう。このこみちを下りゆき給へ。
この声援と共にここにおどろくべき声援者が現われた、それは製粉会社の職工四、五十名と、木材会社その他の労働者、百姓ひゃくしょう、人足、馬夫まご! あらゆる貧民階級が一度にどっとときの声をあげた。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)