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馨
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かんば
ふりがな文庫
“
馨
(
かんば
)” の例文
その廠の中にも技術者もあることだから、そういう人たちはどうしているのかと聞いてみると、病状は大いに
馨
(
かんば
)
しくない。
千里眼その他
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
が、春の雨であった。一雨ごとに育つ草木、一雨ごとに
蕾
(
つぼみ
)
をひらく花——その葉や茎や枝や花の
馨
(
かんば
)
しい香が空気に充ちて、いっそ清々しく感じられた。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この栴檀は二葉より
馨
(
かんば
)
しい名木ではない。オウチの実である。かつて新年に伊勢神宮に参拝した時、黄色い実のなっている木があって、センダンだと教えられた。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
炷物
(
たきもの
)
を
炷
(
た
)
いているのでもあろうか? 香料を身につけているのでもあろうか? 駕籠の中から形容に絶した、
馨
(
かんば
)
しい匂いが匂って来た。いやいやそうではなさそうであった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
デパートメントの主人であった。外妾を持っているということで新聞へ書かれた紳士であった。車内は桃色に明るかった。柔かいクッション、
馨
(
かんば
)
しい香水、二人はきっと幸福なんだろう。
銀三十枚
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
来た所が品川の海岸で、この頃はすっかり日が暮れて、月が
真
(
ま
)
ん
円
(
まる
)
く空へかかった。もうほとんど人通りがない。
宛
(
あて
)
なしにブラブラ歩いて行く。海では波も静からしい。青葉の匂いが
馨
(
かんば
)
しい。
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
いつぞやの夜にはその女が物いうごとに形容に絶した、愛欲をそそる
馨
(
かんば
)
しい匂いが、息苦しいまでに匂って来て、紋也を恍惚の境地へまで墜落させたはずであったが、はたして今夜はどうであろうか?
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
馨
漢検準1級
部首:⾹
20画
“馨”を含む語句
素馨
寧馨児
世馨
井上馨
余馨
印度素馨
素馨花
色馨香味触法
蓮馨花
蓮馨花色
都築馨六
馨之助
馨架
馨音
馨香