香櫨園こうろえん)” の例文
また阪急で夙川しゅくがわまで後戻りして、あそこからタクシーで香櫨園こうろえんまで帰って来ましたら、ちょうど十二時になってました。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
阪神の香櫨園こうろえんに所帯を持ちましたんですが、主人は大阪の或る会社に勤めていまして、月給が九十円、外にボーナスが幾らとか申しておりましたが、それと
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
あそこらへんの海はちょっと行きますと、じきにどかんと深うになってますので、あぶないのんですけど、香櫨園こうろえんだけは海水浴場出来でけまして、夏はほんまににぎやかやのんです。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
何でも香櫨園こうろえんの方の永楽アパートとか云う所に行かれたそうです、と云うのであった。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
香櫨園こうろえんい帰って来るのんざっと一時間、海捜したり近所ンねたりするのん一、二時間、お梅どんから知らして来て香櫨園から浜寺いけ付けるまでが一時間二、三十分、——都合五
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
る日又二人が散歩して夙川しゅくがわから香櫨園こうろえんへ行く途中阪神国道を横切ろうとすると、通りかかった阪国バスから雪子が降りて来て運悪く出遇であってしまったと云うことを、雪子は黙っていたけれども
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)