飴玉あめだま)” の例文
めしは三度とも中通りの食堂へ喰べにゆくし、ときたまではあるが、近所の子供たちに飴玉あめだまを買って来て配る、などということをした。
季節のない街 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
(むかしなら、これで、風呂へ行って、一ぱい飲めた程なのに、今じゃあ、子どもの飴玉あめだま三ツも買えないんだよ)
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それでは、これをたべなさい」と、青い飴玉あめだまのようなものを二つ、三根夫の手のひらにのせてくれた。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
私はそれからも、その先生の恩に報いるため、母にねだっては時々名物の飴玉あめだまを少しばかり送った。
私の先生 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
おかみさんは順吉たちを夫婦のように思い違いをした様子でトシに飴玉あめだまをくれたりした。
夕張の宿 (新字新仮名) / 小山清(著)
キャラメルと飴玉あめだまとがお菓子箱のうちで喧嘩をはじめました。
キャラメルと飴玉 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
わずかに、飴玉あめだまの大きさだ。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
そういっているところへ、丁坊のお母さまが飴玉あめだまを紙につつんで、清君にあげましょうともってきた。
大空魔艦 (新字新仮名) / 海野十三(著)
舞台へ出る姿のままで、飴玉あめだまをしゃぶっていた。
みずぐるま (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
駄菓子屋へ行って一銭の飴玉あめだまを五ツ買って来る。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
別にけなくともよい。気に入る間だけ、舌の上にせた飴玉あめだまのように、あっちへ転がし、こっちへ転がしていればいいのだ。さて、蠅がどうしてこんなに止まっているのか。
(新字新仮名) / 海野十三(著)