“風雨(しけ)” の例文
「外は風雨(しけ)だというのに、内では祝言のしたくだ——しかしこのお差紙(さしがみ)の様子では、おれも一肌(ひとはだ)脱がずばなるまいよ。」
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「途方もない。この風雨(しけ)に夜釣なんか出来るものか。魚は釣れず、濡鼠(ぬれねずみ)になって、大洗(大笑い)になるまでさ」
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
「そうかい。……」介(すけ)はふくみ笑いを持ったまま。「ま、どっちとも判断はまかせよう。それよりはむかしの縁。朝飯でもと言ってくれないか。ゆうべの風雨(しけ)で命拾いをして来たばかりなのだ」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なあに」と武男は茶をすすり果てて風月の唐饅頭(とうまんじゅう)二つ三つ一息に平らげながら「なあに、これくらいの風雨(しけ)はまだいいが、南シナ海あたりで二日も三日も大暴風雨(おおしけ)に出あうと、随分こたえるよ。 ...
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)