風間かざま)” の例文
雨降り風間かざまにあぶれることも多い所から歯代はだいたまりまして、どうも思うようにき立ちません所へ、清次から十円というまとまった金を恵まれましたので息を吹返し
長男俊太郎しゅんたろうさんは、今本郷西片町ほんごうにしかたまちに住んで、陸軍省人事局補任課に奉職している。次男篤次郎とくじろうさんは風間かざま氏を冒して、小石川宮下町こいしかわみやしたちょうに住んでいる。篤次郎さんは海軍機関大佐である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
雨降あまふ風間かざま、しょっちゅうそればかり考えない日とてはない私ではないか。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
「僕よりも三年下だとすると、風間かざまってのを御存じありませんか?」
冠婚葬祭博士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
息つめてかへえきる夜の風間かざま繼ぎ吹く風はいまだ起らず
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
それに風間かざま氏の重厚な訳もよかった。
『西遊記』の夢 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
無心を云う所もえで、仕方なく亀島町の裏屋ずまいで、わしは車をき、姉は手内職をして居りましたが、段々寒くなるし、車を引いても雨降り風間かざまには仕事がなく
息つめてかへえきる夜の風間かざま継ぎ吹く風はいまだ起らず
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
空は晴れて水遥かなり蓮の花風間かざまに澄みて初雁のこゑ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)