ひゞき)” の例文
鳥の夜声とは思はれぬひゞきを曳いて来る。声は暫らく止んだ。静寂は以前に増し、冴え返つて張りきつてゐる。この山の峰つゞきに見えるのは、南に幾重ともなく重つた葛城の峰々である。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)