面上おもて)” の例文
渠は茫々ぼうぼうたる天を仰ぎて、しばらく悵然ちょうぜんたりき。その面上おもてにはいうべからざる悲憤の色を見たり。白糸は情にえざる声音こわねにて
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やがて此方こなたを向きたる貫一は、尋常ただならず激して血の色を失へる面上おもてに、多からんとすれどもあたはずと見ゆる微少わづかゑみを漏して
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)