青髯あをひげ)” の例文
カンカラカラと笑ひ飛ばすと、きざみの深い物凄い顏のひもゆるんで、群青ぐんじやうで描いたやうな青髯あをひげの跡までが愛嬌になります。
「それに、大川屋の御新造は、父親を殺した河井龍之介といふのは、生きて居れば五十を越した筈で青髯あをひげの凄まじい、一寸怖い顏をした男だと言つた」
奧へかつぎ込まれて、投り出すやうに引据ゑられたおさん、思はず四方あたりを見廻すと、目の前に坐つて居るのは細面に青髯あをひげの目立つ、一寸凄い感じのする若い男。
越後屋の主人が確かに顏を見たと言つて居るが、色白で四十前後で、ベツトリと濃い青髯あをひげの跡のある、とだけぢや——そんな浪人者は江戸に何百人居るか解らない
黒雲五人男は、五人とも遠州の者で、最初の首領は大友瀬左衞門で、これは濱松の御家中で、百石をんだ立派な武士、取つて四十五といふ、恰幅の良い青髯あをひげの浪人者。
銭形平次捕物控:239 群盗 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
小意氣な野郎額やらうびたひ、眉も、眼の切れも長く、少し高目の鼻も線の柔かさで緩和されて、顎の丸さに、少し青髯あをひげの跡がなかつたら、平次も本當に女と間違へたかも知れません。
一刀をひつさげて、上りかまちにヌツと突つ立つたのは、青髯あをひげの跡凄まじい中年の浪人です。
成程四十三四の青髯あをひげ、人相は凄まじいが、その割には腰の低い男です。
背の高い、青髯あをひげの凄まじい、何んとなく人好きはしません。