青痰あおたん)” の例文
「……やおれ……身請けした暁には、思い知らさいでおこうものか。ズタズタに切りさいなんで、青痰あおたんを吐きかけて、道傍みちばたに蹴り棄てても見せようものを……」
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その小野忠雄には、彼が酒色に沈湎ちんめんしていた頃、赤坂溜池のほとりで、馬上から青痰あおたんをかけられた恩人である。にもかかわらず、二人の武士は武士の礼を取りに来たのだ。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
青痰あおたんっかけたは。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
と馬上から青痰あおたんかけて、梶新左衛門と共に、ふり向きもせず馬を飛ばして立ち去った。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)