震上ふるえあが)” の例文
「なに止められてたまるものか。故障の入らぬ内に、おおそうじゃ。」と切尖きっさきをちょいとてて震上ふるえあがり、「武士が、武士が、」と歯切はぎしりして、ぐっとまでにはならぬけれど、ほんとに突いて
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
子供だちみんな震上ふるえあがって一同顔色を変えた、その晩はいとど物凄い晩なのに、今幽霊が来たというので、さあ子供だちは帰れないが、ここへ泊るわけにもゆかないので、皆一緒に、ぶるぶる震えながら
千ヶ寺詣 (新字新仮名) / 北村四海(著)