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隠微
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いんび
ふりがな文庫
“
隠微
(
いんび
)” の例文
(しかしそれらの中に沈んでゐるのは、孤独の
滓
(
おり
)
ではない。ひどく華やいだ、むしろ孤独
怡
(
い
)
悦の
神
(
こころ
)
の、——
隠微
(
いんび
)
な
擬態
(
まどはし
)
だつたやうだ)
雪
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
それに、はっきり自分で意識していたわけではなかったが、故郷の自然というものが、
隠微
(
いんび
)
の間に彼をひきつけていたこともたしかだった。
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
それらは実に鮮やかに、また鋭く
刻
(
きざ
)
み出されているのであるが、しかしその美しさは、天平の観音のいずれにも見られないような一種
隠微
(
いんび
)
な
蠱惑力
(
こわくりょく
)
を印象するのである。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
殊にも、彼女の寝室の秘密は、どの様な
隠微
(
いんび
)
な点までも、はれがましくもまざまざと描き出されていた。顔の赤らむ様なある仕草、ある言葉さえもが、冷酷に描写してあった。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そしていやしくもそれが真理であり、科学的の事実でさえあれば、一切の先入的偏見を排除して、千万人といえども
吾
(
われ
)
行かんの
概
(
がい
)
を
以
(
もっ
)
て、宇宙間の
隠微
(
いんび
)
を探るべく勇往邁進する。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
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また、
隠微
(
いんび
)
な笑いが流れた。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
そこに漂う何かしら
隠微
(
いんび
)
な魂が
高話
(
たかばなし
)
を抑えつけて、囁き声にしてしまうものである。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
友よ! 宗教なるものは、決して人間が人為的に捏造したような、そう
隠微
(
いんび
)
不可解な問題ではない。宗教は地上の人間の狭隘なる智能の範囲内に
於
(
おい
)
て、立派に掴み得る問題なのである。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
“隠微”の意味
《名詞》
外にはすこししか表されず内容がわかりづらいこと。
(出典:Wiktionary)
隠
常用漢字
中学
部首:⾩
14画
微
常用漢字
中学
部首:⼻
13画
“隠微”で始まる語句
隠微夢中