隅棚すみだな)” の例文
そいつがいきなりはいってきて、わたしのパイプののせてある隅棚すみだなの方へ、つかつかと歩いて行くじゃありませんか。
隅棚すみだなの枕時計ははた秒刻チクタクを忘れぬ。ますます静に、益す明かなるねやの内には、むなしともむなしき時の移るともなく移るのみなりしが、たちまち差入る鳥影の軒端のきばに近く、したる宮が肩頭かたさき打連うちつらなりてひらめきつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)