陪席ばいせき)” の例文
それをまた、陪席ばいせきの来賓はみな、おかしげに眺め合って、しばしば、楽堂がくどう胡弓こきゅうふえの音も、耳に忘れるばかりな歓声だった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
陪席ばいせきを仰せつかっている村田も、どうも板につかないような気持に堪えられません。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
……さあれ、ここには市十郎はおらぬ、同席の同役、また陪席ばいせきのお目付たちと、奉行越前守がおるだけじゃ。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
陪席ばいせきにおられる御両所は、公儀お目付の松平藤九郎殿と、有馬源之丞殿の御配下の由でございまする」
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
旗本の子弟がたくさん陪席ばいせきに招かれて来ていた。親どもは、こういうしおにわが子を将軍のえつに進めておくことは、一生の栄達のいとぐちになると考え、武技の上覧を、側衆まで伺い出た。
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)