長面ながづら)” の例文
アコ長のほうは、ごぞんじの通り、大一番おおいちばん長面ながづらの馬が長成ながなり冬瓜とうがんをくわえたような、眼の下一尺二寸もあろうという不思議な面相。
と、早や此方こなたざまに参った駅夫どのに、くるりと肩ぐるみに振向いた。二度見ました。やせ和尚の黄色がかった青い長面ながづら
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
円髷まるまげの年増と、その亭主らしい、長面ながづらの夏帽子。自動車の運転手が、こつこつと一所に来たでしゅ。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おらが鼻のさきを、ひいらひいら、あの生白なまちらけた芋の葉の長面ながづらが、ニタニタ笑えながら横に飛んだ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)