長談義ながだんぎ)” の例文
この愚痴っぽい、何でもない様な長談義ながだんぎが野本氏にとっては、どんなに恐ろしい責め道具だかということを、彼はよく知っていた。
恐ろしき錯誤 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「そんな長談義ながだんぎを、わざ/\して下さらなくてもよかつたのに。」とヂョウジアァナは答へた。
近子ちかこくちびるみながら、さも忌々いま/\しさうに、さも心外しんぐわいさうに、默ツて所天をつと長談義ながだんぎを聽いてゐたが、「ですから、貴方あなたはおえらいのでございますよ。」と打突けるやうにツて
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
あいも変らぬ長談義ながだんぎの中に前なる皿はいつの間にか新しき品とかわれり。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
まことに異様な結論に到達したのであったが、併し、私は非常に複雑でいながら、実に秩序整然たる彼の長談義ながだんぎに、すっかり堪能した形で、今は最早もはや異議を挟む元気も失せていた。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)