とか)” の例文
彼の全体は燃質にして組織せられたり、火気に接すればたちまち熖となる、その熖となるや鉄もとかすなり、金も鎔すなり、石も鎔すなり、かわらも鎔すなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
国銅を尽して象をとかし、大山を削りて以て堂を構へ、広く法界ほつかいに及ぼして朕が智識ちしきとなす、つひに同じく利益りやくかうむりて共に菩提ぼだいを致さしめん、れ天下の富をつ者は朕なり
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
そうして、その日光を得られれば、私には冷たい大理石に生命をあたえ、響きある青銅を輝く温かい火でとかすことが出来るのです。——やあ、お前さんの手がわたしに触れましたね。
杯盤はいばんを片附けた、柳橋の清川の大廣間、二十幾基の大燭臺に八方から照されて、男女十幾人の一座は、文句も不平も、大きな歡喜の坩堝るつぼの中にとかし込んで、唯もう、他愛もなく、無抵抗に
杯盤はいばんを片付けた、柳橋の清川の大広間、二十幾基の大燭台しょくだいに八方から照されて、男女十幾人の一座は、文句も不平も、大きな歓喜の坩堝るつぼの中にとかし込んで、ただもう、他愛もなく、無抵抗に