銀匙ぎんさじ)” の例文
第三の世界は燦として春の如くうごいてゐる。電燈がある。銀匙ぎんさじがある。歓声がある。笑語しょうごがある。泡立あはだ三鞭シャンパンさかづきがある。さうして凡てのうへかんむりとして美くしい女性がある。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ただ……ただ、わたしは全くかみさんの銀匙ぎんさじが心配ですの……アマリヤ・イヴァーノヴナ!
銀匙ぎんさじがある。歓声がある。笑語がある。泡立あわだつシャンパンの杯がある。そうしてすべての上の冠として美しい女性にょしょうがある。三四郎はその女性の一人ひとりに口をきいた。一人を二へん見た。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)