釣枝つりえだ)” の例文
それほど私はにぎやか下座げざはやしと桜の釣枝つりえだとの世界にいながら、心は全然そう云うものと没交渉な、いまわしい色彩を帯びた想像に苦しめられていたのです。
開化の良人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
合方あいかたゆかの浄瑠璃、ツケ、拍子木の如き一切の音楽及び音響と、書割かきわり張物はりもの岩組いわぐみ釣枝つりえだ浪板なみいた藪畳やぶだたみの如き、凡て特殊の色調と情趣とを有せる舞台の装置法と
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)