里子さとご)” の例文
生まれたら、すぐ、どこか遠い、わからんところに、里子さとごにやってしまうつもりなの。約束も出来とるらしいわ。そればっかりじゃないわ。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
里子さとご時代に、乳母うばの家族とせまくるしい一室でらしていたころの光景までが、おりおりかれの眼にかんでいたのである。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
そうして母は死に、阿倍野の葬儀場へ送ったその足で、私は追われるように里子さとごられた。
アド・バルーン (新字新仮名) / 織田作之助(著)
こんなふうでは、自分は、里子さとごから帰って来た幼年時代と少しも変わったところがないではないか。いや、あのころの自分は、まだ今ほどには見ぐるしくはなかった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
ぼくがおはまの家に里子さとごにやられたのが、そのそもそもの原因であることに気がついた時であった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
そこで次郎はその日から、恭一に代って、お浜の家に里子さとごに行くことになったわけなのである。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)