酔覚えいざめ)” の例文
旧字:醉覺
って出るように水をのぞく、と風が冷かにかおを打つ。欄干にしかと両手を掛けた、が、じっと黙って、やがてしずかに立直った時、酔覚えいざめの顔は蒼白あおじろい。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
心細いッたらないのだもの、おまけに目もあてられない吹雪と来て、酔覚えいざめじゃあり、寒さは寒し、四ツ谷までは百里ばかりもあるように思ったねえ。そうすると何だかまた夢のような心持になってさ。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)