鄙劣ひれつ)” の例文
「それはそうかも知れませんが、しかし幾程いくら免職になるのがこわいと言ッて、私にはそんな鄙劣ひれつな事は……」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
知らずらずみずから鄙劣ひれつに陥りしことなるが、れからは藩主も平等の人間なりと一念こゝに発起して
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
御流儀においては、秘伝口授など申す儀、かつてこれなき段、堅く相守り、さようの事申し立て候儀これあるまじく、すべて鄙劣ひれつの振舞をいたし古学の名をけがし申すまじき事。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
口に正理をとなうるも、身の行い鄙劣ひれつなれば、その子は父母の言語を教とせずしてその行状を見慣うものなり。いわんや父母の言行ともに不正なるをや。いかでその子の人たるを望むべき。
中津留別の書 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
鄙劣ひれつ千万な、計略をめぐらして母の病気とまでうそわせる、ソンナ奴があるものか、モウけだ、大議論をしてろうかとおもったが、イヤ/\左様そうでない、今アノ家老と喧嘩をした所が
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)