邑宰むらやくにん)” の例文
数日して某縉紳しんしんの子が十一娘に結婚を申しこむことになったが、普通の手段ではととのわないと思ったので、邑宰むらやくにんに頼んで媒灼ばいしゃくしてもらった。
封三娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
それはという友人であったが、その顧がくなった時、妻子の面倒を見てやったので、邑宰むらやくにんがひどく感心して文章を寄せて交際を求めて来た。
連城 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
邑宰むらやくにんはずるいので、促織の催促に名をって村の戸数に割りあてて金を取りたてた。で、一疋の促織を催促するたびに、三、四軒の家の財産がなくなった。
促織 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
武はますます怒って邑宰むらやくにんに訴えた。邑宰からは林児を拘引すべしという命令が出たが、下役人がつかまえなかった。官の方でもそれからうえは問わなかった。武は怒りに燃えていた。
田七郎 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
武は心を痛めながらそこを出て、急いでたくさんの金を邑宰むらやくにんに送り、また百金を七郎のかたきの家へ送ったので、一ヵ月あまりで事がすんで七郎はゆるされて帰って来た。母親は悲痛な顔をしていった。
田七郎 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)