遠々とほどほ)” の例文
水仙と寒菊の影、現なくうつらふ観れば、現なし、さびしかりけり。近々ちかぢかと啼き翔る鵯、遠々とほどほとひびく浪の。誰か世を常なしと云ふ、久しともかなしともへ。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
遠々とほどほに消えてゆくものは雀のかげ、冬陽ふゆびの名残、時雨も幽かにわたつてゆくが、ともすると、いつのまにやら雪になつてる。函根あたりは猶さらだ、白い白い雪の野山だ。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
雲間洩る寒き日すぢとなりにけり遠々とほどほに見る雜木々ざふきぎたち
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
雲間洩る寒き日すぢとなりにけり遠々とほどほに見る雑木々ざふきぎたち
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)