遊人ゆうじん)” の例文
初めてぐううしのうて鰥居無聊かんきょむりょうまたでて遊ばず、ただ門につて佇立ちょりつするのみ。十五こう尽きて遊人ゆうじんようやまれなり。丫鬟あかんを見る。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
五六百年の物では無い。松の外に格別古い物はない。石碑は嘉永かえいのものである。茶屋ちゃやがけがしてあるが、夏過ぎた今日、もとより遊人ゆうじんの影も無く、茶博士さはかせも居ない。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)