這出はいい)” の例文
おもてにべったり蜘蛛くもの巣を撫払なではらいて、縁の下より這出はいいづるは、九太夫にはちと男が好過ぎる赤城の下男八蔵なり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
昼間何処いずくにか潜伏して、絶えて人にまみえず、黄昏こうこん蝦蟇の這出はいいづる頃を期して、飄然ひょうぜんと出現し、ここの軒下、かしこの塀際、垣根あたりの薄暗闇うすくらやみに隠見しつつ
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)