追掛おっかけ)” の例文
もっともね、居ると分ったら、門口かどぐちから引返ひっかえして、どこかで呼ぶんだっけ。媽々かかあ追掛おっかけるじゃないか。仕方なし奥へ入ったんだ。一間ひとましかありやしない。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
れと夫婦約束して女房にしようと思ったが、此の頃変に厭になって何うかして江戸へけえそうと思って手段てだてをしたが、小兼めぎゃア/\狂人きちげえの様になってわっちを殺すって追掛おっかけるのさ
めえの御亭主が脇差を抜いて追掛おっかける時に、私が打倒ぼっころんだ上へまたがって殺すべえとするから、一生懸命に人殺しい/\と云うと、其の時向山むこうやまを通り掛けたのは貴方あんたあにさんで、鹿を打遁ぶちにがしてけえみち
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)