追慕ついぼ)” の例文
また彼らの人格、彼らの鑑賞力が、そんなにも追慕ついぼされるべきものであるかどうか。これらのことに対し私は大いに懐疑的なのである。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
×子の墓とった新しい石碑に対して追慕ついぼの感じは起らないで、石の下のかんの中でうじに喰われている死骸の醜さが胸に浮んだ。
入江のほとり (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)
彼の破れて北軍にくだったのち、ほとんど名も無き田舎いなか中学の校長となって身を終ったその地方を巡回して、いよいよ同氏の人格の高朗なるを知って、いよいよ追慕ついぼの念が深くなった。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)