轟々ごろごろ)” の例文
彼処かしこに置捨てた屋台車が、ぬしを追うて自らきしるかと、ひびきが地をうねって、轟々ごろごろらいの音。絵の藤も風にさっと黒い。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
たちまち欠け始めた、日の二時頃、何の落人おちゅうどあわただしき車の音。一町ばかりを絶えず続いて、轟々ごろごろと田舎道を、清水港の方から久能山のかたへ走らして通る、数八台。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)