転寐うたたね)” の例文
旧字:轉寐
この日も君江はこの快感に沈湎ちんめんして、転寐うたたねから目を覚した時、もう午後三時近くと知りながら、なお枕から顔をあげる気がしなかった。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
やがて目がめて、ああ、転寐うたたねだったと思えば夢だが、このまま、覚めなければ夢ではなかろう。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
秋の夕陽ゆうひ欄干てすりの上にさし込んでいて、吹き通う風の冷さにおおうものもなく転寐うたたねした身体中は気味悪いほど冷切ひえきっているのである。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
転寐うたたねに……」
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)